全国44の経済同友会が共催する第31回全国経済同友会セミナーが19日から2日間の日程で宇都宮市で開かれた。「次世代につなげる輝く日本を目指して~明るく希望に満ちた社会の構築~」を総合テーマに持続可能な街づくりや企業の人材戦略などについて活発な議論を交わした。ホテル東日本宇都宮で開かれたセミナーには、全国の同友会の会員ら1千人が参加し、経済同友会の隅修三副代表幹事があいさつしたあと、小林辰興栃木経済同友会代表幹事や福田富一栃木県知事が歓迎の言葉を述べた。基調講演では、建築家で東京大学教授の隅研吾氏が「人口減少社会で持続可能なまちづくり」と題して講演し、隅氏が手掛ける新国立競技場に栃木の大谷石と芦野石を使う他、全国47都道府県の木も使用する考えを示した。このあと「地域資源と新技術を使用した持続可能なまちづくり」「産業の垣根を超えて目指す新たな価値創造」「人口減少時代における企業の人材戦略」「受益と負担の将来展望 財政と社会保障、税制と社会保険」の4つ分科会に分かれて意見を交わした。20日の特別講演では、小西美術工藝社の代表取締役社長のデービッド・ワトキンソン氏が「未来に繋げる地域文化の磨き方」と題して講演した。この中でワトキンソン氏は「日本が以前までPRしていた『おもてなし』や『公共交通の正確さ』は基本的に観光資源にならない。見たいもの、食べたいもの体験したいものなどがないと観光では訪れようと思わない。自然、気候、文化、食事の4つが観光客をひきつける必須条件。日本には4条件がそろっている上に多様性に富んでいる。多様性がある国ほど観光客は集まりやすい」と語った。